一般的に望ましい行動を良く評価したり、やる気を高めるために行ったりする「褒める」という行動。学校や塾とかの褒め上手な先生って人気ありましたよね。
ほ・める【褒める/▽誉める】 の解説
[動マ下一][文]ほ・む[マ下二]
- 人のしたこと・行いをすぐれていると評価して、そのことを言う。たたえる。「勇気ある行動を―・める」「手放しで―・める」「あまり―・めた話ではない」⇔そしる/けなす。
- 祝う。ことほぐ。
人はだれしも長く生きた分だけ経験や知識またはノウハウを持っています。特にこの記事を読まれている方の中には卓越したそれをお持ちの方が多いと思います。 そしてそれを伝えるということは、後輩を育てたりするのはもちろんですが、例えば業界を転身されたり休養や一度引退された場合であっても、変わらずに存在感を出し続けることができると思います。

すみません、小難しく書いてしまいましたが、自分の知っていることや経験・知見を楽しく受け入れてくれる後進がいてくれたらうれしくありませんか?私も週に数度の勉強会をやっていますが、業績アップ以上に一生懸命勉強し私から吸収を続けてくれるメンバーに期待と感謝をしている日々です。
この伝える内容は置いといてよく言われる「伝える技術」の中に「褒める」が含まれているのは予想できると思いますが、重要なのがスキルであるということです。褒め上手な方も多くいますが、(そういう性格である場合ももちろんありますが)多くはスキルを保持しているケースが多いと思います。
「褒める」はスキル
突然ですが、ひとつ想像してみてください。
「あなたが何か仕事で与えられたミッションを無事達成することができました。その時に額の1から4のいずれかの言葉をかけられた場合どれが一番嬉しいでしょうか。」
- さすがだね、目的意識が高くて助かるよ
- さすがだね、いい感じの仕上がりだし雰囲気いいチームできたね
- さすがだね、冷静に情報を分析して確実な結果を出してくれたね
- さすがだね、周囲の人々の気にかけてくれてチーム一丸で成功させてくれたね
どうでしょうか。
1を選んだ方は、全体像を把握して全体をコントロールするそれに対して褒められたことに嬉しかったのではないでしょうか。
2を選んだ方は、成果を数値化されない直感的評価や雰囲気などを褒められたことが嬉しかったのではないでしょうか。
3を選んだ方は、進め方やアプローチ(データ分析)などに注目されて評価されたことが嬉しかったのではないでしょうか。
4を選んだ方は、自分や成果だけではなく周囲の人々と協力を構築したことや周囲の人も一緒に評価を受けていることが嬉しかったのではないでしょうか。
ここで注目して欲しいのが、達成した内容やストーリに触れていないこと(つまりなんでもOK)と、言い出しをそろえたうえでセリフだけを変更してみたことで雰囲気も統一してみた点です。そうなんです。これはスキルを利用した言ってみれば「対話の設計」をもので、つまり誰にでもできるということです。この内容をもっと知りたい方は「4つのタイプ」などでまとめられているので一読ください。※百発百中ではないし、様々な要因もあるので乱用にはご注意ください。
「褒め違い」にご注意を
褒める誰にでもできますと書いておいてですが、褒めるってやはり難しいです。5W1H(「When:いつ」「Where:どこで」「Who:だれが」「What:何を」「Why:なぜ」「How:どのように」)を間違えてしまうと望まない効果を生んでしまうことがあります。
例えば、「褒める」が「外的動機」として作用されてしまう場合です。言葉でほめる、お小遣い付きでほめるいろいろありどれも間違ってはいませんが、褒める=報酬という構造となってしまうと、褒められるからやる、褒めてくれないならやらない。ということにもつながります。また逆に作用する例として、褒めの下がっていったり空ブルということもあります。一度目の成功を絶賛すると次はそれを超えた褒めをしないと「あれ、前よりも・・・」という感想になったり、「これでほめてくれるはず」とという行動に対して期待値を超えない褒めが来ない場合には、意欲の低下や、場合によっては失敗ととらえて挑戦をしなくなってしまうという場合があります。
「ほめる=報酬」という公式にお気を付けくださいと書いておりますが、さて、どうすればいいか。「褒める=〇〇」・・・〇〇に何を当てはめるかが重要です。結論を先に出すと「承認」です。相手をしっかり見て認め、何が達成されたのかを正面から受け止めて、相手を思ってフィードバックするにつきます。先ほどの4つの褒めかたも基本は、相手をしっかり十分すぎるくらい見ることです。頭脳の知能指数ではなく心の知能指数が試されますね。
「褒める」で叶える
様々な夢・展望・計画があると思います。その中の1つの要素として「伝える」を加えてみてはどうでしょうか。先日なにかで読んだのですが「日本人の【空気を読む】って能力はどうやって教えているんだい?」という質問は日本の文化がそのものに価値を感じる瞬間でした。※空気を読むということ自体は受け取り方次第的な部分ありますが。
私自身は若輩者ですが、諸先輩が伝えてくれる時、適切な誉めとフィードバックをくれる方は尊敬しており、そうなりたいと願っています。この思いを後輩に伝えていくころで、年代を超えたコミュニティや知識・経験の共有ができ、それを支えるのが尊敬であるという文化が作られたらすてきだなと思います。